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SWIR技術の真価とは?

新しい研究開発を加速させる短波長赤外線(SWIR)技術を徹底解説

SWIRとは:可視光では見えない世界を可視化する原理

SWIRは、私たちの目に見えない短波長赤外線という特殊な光です。この光を捉えることで、物質の固有の特性や「隠された情報」を可視化できます。


SWIRは、電磁波スペクトルにおいて1000nm〜2500nmの波長域を指します。この波長域の光は、可視光(400nm〜700nm)とは異なる特性を持ち、物質と特有の相互作用を起こします。


電磁スペクトルにおけるSWIR(短波長赤外線)の位置

SWIR波長と物質の相互作用について

SWIRの持つ非破壊検査能力の鍵は、物質との特有の相互作用にあります。

  • 透過性
    SWIRは、シリコン、特定のプラスチック、ガラス、布などを透過します。 これは、物質の分子構造がSWIR波長帯の光をほとんど吸収しないためです。この特性を利用することで、内部の構造や欠陥を外から確認できます。

  • 吸収性
    水(H₂O)、油、特定の有機物などは、固有の分子振動数に一致するSWIR波長を強く吸収します。この「吸収スペクトル」は物質ごとに異なるため、SWIRカメラで特定の波長を捉えることで、物質の種類や含有量を識別することが可能です。

SWIR波長域における水・アルコール・油の透過率比較

イメージセンサーについて

これらの相互作用を捉えるには、CMOS・CCDイメージセンサーでは不十分です。SWIR波長域に高い感度を持つInGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)センサーを搭載したSWIRカメラが不可欠となります。

SWIR波長と物質の相互作用を応用した事例

SWIR技術は、その透過性と吸収特性を活かし、R and Dや製造現場で具体的な課題解決に役立っています。ここでは、SWIR技術がどのように応用されているか、具体的な事例を紹介します。

  • <半導体ウェハの製造工程・検査工程>
    SWIRのシリコンを透過する特性を利用し、ウェハの裏面から非破壊で検査しています。 ウェハ内部のクラック(ひび割れ)や配線の異常、気泡などの欠陥、実装されたはんだ接合部の状態を可視化します。
    早期に欠陥を発見することで、後工程での不良品発生を劇的に削減し、生産歩留まりの向上に大きく貢献します。

  • <食品の異物混入や品質検査工程>
    SWIRの物質識別能力を活用し、異物や水分量を検出しています。
    ピーナッツの殻・小石・木片など、食品とは異なる吸収スペクトルを持つ異物を迅速に識別し自動で選別します。
    水分量を検出することで、果物の熟成度や鮮度、内部に存在する打痕(傷)など外部から見えない情報を検出できます。
    全数検査による品質管理の徹底によりリコールリスクを低減し、人手による検査のコストや見逃しリスクを削減します。

【可視光での撮像】
※判別困難

【SWIR 1100nmでの撮像】
※石が黒く分離


  • <虹彩認証>
    虹彩認証では、SWIR照明で虹彩の模様を背景から際立たせ、SWIRカメラで虹彩の微細なパターンを読み取ります。
    スマートフォンや入退室管理システムで採用されており、虹彩のSWIR画像を解析して本人を識別します。

    SWIRは周囲の光の影響を受けにくく、また、サングラスやカラーコンタクトレンズの多くを透過するため、これらを着用している状態でも認証が可能です。これにより、認証の利便性と信頼性が向上します。

【可視光での撮像】
 

【SWIR 1300nmでの撮像】
※血管構造の可視化

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